Japanese
English
特集 THA―各種アプローチのコツとピットフォール
THAに必要な機能解剖
Functional anatomy of soft tissues around the hip and its implications for THA
高尾 正樹
1
,
濱田 英敏
1
,
安藤 渉
2
,
菅野 伸彦
2
Masaki TAKAO
1
,
Wataru ANDO
2
1大阪大学大学院医学系研究科,器官制御外科学
2同上,運動器医工学治療学
キーワード:
Hip capsular ligament
,
Short external rotators
,
Total hip arthroplasty
Keyword:
Hip capsular ligament
,
Short external rotators
,
Total hip arthroplasty
pp.989-993
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001375
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:股関節の関節包靱帯は腸骨大腿靱帯,恥骨大腿靱帯,坐骨大腿靱帯の3成分に分類され,腸骨大腿靱帯は外側線維と内側線維に分けられている。腸骨大腿靱帯は伸展と外旋を制動し,外側靱帯は主に外旋を,内側靱帯は伸展を制動している。恥骨大腿靱帯は外転と外旋運動を制限し,坐骨大腿靱帯は内旋を制動する。屈曲位での内旋制動の関節包靱帯の役割は複雑で,坐骨大腿靱帯が主に制動しているが,恥骨大腿靱帯や腸骨大腿靱帯もその肢位により,総合的に寄与している。通常のTHAでは,骨頭径が本来の大腿骨頭の大きさよりも小さくなるため,関節包が弛み内外旋方向の制動効果が低下する。牽引力に対する関節安定性には,輪帯を含む後方関節包が大きく寄与している。短外旋筋は,筋収縮を通じて動的に関節安定性に寄与するが,梨状筋は屈曲位では内旋筋として機能する一方,外閉鎖筋が屈曲位での外旋運動に最も機能している。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.