特集 THA―各種アプローチのコツとピットフォール
扉
中島 康晴
pp.988-988
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001374
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人工股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA)の手術アプローチが現在ほど多様化し,かつ議論されたことはなかったのではないか。変法を加えれば数えきれないほどの数になると思われる。これにはいくつかの理由が挙げられる。1つめはTHAの耐久性が向上したことで,術後脱臼に注意が向いたことである。2000年代前半までTHA再置換の原因で最も多かったのはポリエチレン摩耗によるosteolysisとインプラントの弛みであった。そのため,当時の議論は摺動面の材質やインプラントの表面加工法に関するものが多かった。しかし2000年前後のクロスリンクポリエチレンの導入によって摩耗・弛みは著しく減少し,インプラントのlongevityは大きく改善した。臨床家の注目は再置換の主原因の1つである脱臼により向くようになったといえる。
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