高齢者重度肩関節不安定症に対する人工骨頭または人工関節置換術の4例

Clinical outcomes of hemi or total shoulder arthroplasty for severe anterior shoulder instability in elderly patients；4 case reports

要旨：Hill-Sachs病変による骨性安定性が破綻した高齢者肩関節前方不安定症を経験し，良好な治療成績が得られた。対象は易脱臼性の4例5肩（男性1肩，女性4肩）で，平均年齢70歳，術後平均観察期間32.8カ月であった。術後合併症は認めず，JOAスコアは術後平均83.7点であった。大きなHill-Sachs病変による高齢者肩関節不安定症に対して，安定性獲得を目的とした一期的人工骨頭または関節置換術は，有効な選択肢の一つである。