Japanese
English
手術手技シリーズ 関節の手術<上肢>
肩関節不安定症に対する手術
Surgical Procedures for the Unstable Shoulder
信原 克哉
1
,
池田 均
1
,
塚西 茂昭
1
Katsuya Nobuhara
1
1信原病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nobuhara Hospital
キーワード:
肩関節不安定症
,
unstable shoulder
,
動揺性肩関節
,
loose shoulder
,
腱板疎部
,
Rotator interval
,
肩関節臼蓋骨切り術
,
glenoid osteotomy
Keyword:
肩関節不安定症
,
unstable shoulder
,
動揺性肩関節
,
loose shoulder
,
腱板疎部
,
Rotator interval
,
肩関節臼蓋骨切り術
,
glenoid osteotomy
pp.77-82
発行日 1986年1月25日
Published Date 1986/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907330
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はじめに
途方にくれる—という表現があるが「肩関節不安定症に対する手術」という命題をもらったときの状態がまさにそれであった.まずおきた不安は,肩関節不安定症への他の認識と私のものとが異なっているとしたら,読者は混乱するであろうし,もし誤った手術適応が行われるとすればその結果は患者にとって悲惨なものとなるに違いない,ということであった.
The Unstable Shoulder—その邦訳と考えられる肩関節不安定症という名称が散見されるようになったのはごく最近,数年前のことである.そしてこの傾向は確かな根拠はないが多分,Surgery of the Shoulder(DePalma)という本によるところが大きいようである.本邦で愛読されてきた彼の初版(1950)のものが,第2版(1973)になって少し項目を替えているのに気付いたとき,私は奇異な感を抱いたものである.それは習慣性(又は反復性)脱臼が「脱臼」の項からはずされ習慣性亜脱臼と一緒になって,肩関節不安定症の項を構成しているところであった.さらに10年経て,第3版ではその期間に報告された論文が集録され,随意脱臼,後方脱臼,下方および多方向(亜)脱臼,非外傷性の不安定症など,今日話題となっている題材が羅列されているのである.
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