Japanese
English
特集 半月板—Save the Meniscus
Ⅲ.内側半月板の治療
後根断裂の病態と治療
Pathophysiology and treatment strategy of the medial meniscus posterior root tear
古松 毅之
1
Takayuki FURUMATSU
1
1岡山大学病院,整形外科
キーワード:
Medial meniscus
,
Posterior root tear
,
Transtibial pullout repair
Keyword:
Medial meniscus
,
Posterior root tear
,
Transtibial pullout repair
pp.595-604
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001278
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要旨:内側半月板後根断裂(MMPRT)は,それまでほぼ正常に機能していた内側半月板が突如として機能不全に陥ることから,膝関節軟骨の急激な摩耗,内側大腿骨顆部における骨髄浮腫や軟骨下骨の不全骨折を引き起こす。MMPRTは変形性膝関節症を急速に進行させる危険性が極めて高い特殊な半月板損傷である。そのため,階段や坂道における突発的な膝後内側部痛といった特徴的な病歴を聴取し,MRI画像所見を正確に読影することによりMMPRTをなるべく早い段階で診断する必要がある。MMPRTの診断に至ったとしても,膝関節痛に対する一般的な保存的加療は無効であることが多く,早期に適切な治療法を患者に提案すべきである。内側コンパートメントの膝関節軟骨が中等度以上に維持されているMMPRT患者に対しては,適応を見定めた上で脛骨骨孔を介したpullout修復術を選択することが望ましい。治療の機会を逸すると内側半月板の逸脱をはじめとするMMPRTの病態はさらに悪化し,膝関節の不可逆性・退行性変化が短期間で進行する。適切なpullout修復術は内側半月板のhoop機構を回復させ,MMPRT受傷後の病態を大きく改善させる可能性がある。
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