Japanese
English
特集 国際コンセンサスからみた整形外科感染対策における最新知見
骨折関連感染の予防・診断・治療
Prevention, diagnosis and treatment for fracture-related infection
河村 健二
1
Kenji KAWAMURA
1
1奈良県立医科大学,玉井進記念四肢外傷センター
キーワード:
Fracture
,
Infection
,
Trauma
Keyword:
Fracture
,
Infection
,
Trauma
pp.295-301
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001211
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:骨折関連感染(FRI)が人工関節周囲感染(PJI)と比べて研究が遅れている理由として,FRIの診断基準が存在しなかったことが挙げられる。国際コンセンサス会議を経て2018年にFRIの診断基準が提言されたため,今後は診断基準に沿った質の高い臨床研究が期待される。FRIの予防については,喫煙歴や栄養不良などの患者因子が感染リスクになること,開放骨折においては抗菌薬の早期投与と早期創閉鎖が感染リスクを減らすことはコンセンサスが得られている。FRIの治療については,感染の発症時期と骨折の安定性によってインプラントを抜去すべきかどうかの判断が異なるが,適切なdebridementと抗菌薬投与が重要である。陰圧閉鎖療法は開放骨折に伴う複雑な創傷に対して最終的な軟部組織閉鎖前の7日以内の短期管理に適している。
Copyright © 2020, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.