上腕骨遠位端骨折に対する内側プレート固定後の尺骨神経障害低減への試み

Challenge to reduce ulnar neuropathy after distal humerus fracture using anatomical locking plate

要旨：上腕骨遠位端骨折に対し，内側プレートを用いる際，重大な合併症として尺骨神経障害があり，術後発症が多いとされている。今回われわれは術後尺骨神経障害を低減するために，術中尺骨神経を単独で剝離挙上せず，皮下前方移行を行わない方法を7症例に試みた。術後，環指・小指のしびれを2例に認めたが，経過観察のみで症状は改善した。改善点はあるものの，術後の尺骨神経障害残存例はなく比較的容易に行える良い方法と考えられる。