Japanese
English
症例
滑車上肘筋による肘部管症候群の治療経験
Treatment of cubital tunnel syndrome caused by epitrochleo anconeus muscle
西村 春来
1
,
平澤 英幸
1
,
善家 雄吉
1
,
目貫 邦隆
1
,
酒井 昭典
1
Haruki NISHIMURA
1
1産業医科大学,整形外科学教室
キーワード:
Cubital tunnel syndrome
,
Epitrochleo anconeus muscle
,
Ulnar neuropathy
Keyword:
Cubital tunnel syndrome
,
Epitrochleo anconeus muscle
,
Ulnar neuropathy
pp.443-447
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000421
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要旨:滑車上肘筋を伴った肘部管症候群2例を経験した。症例1は18歳男性,ウェイトリフティング部所属。左手の脱力感を自覚し来院した。受診時,握力の低下,尺骨神経溝にTinel signを認めた。精査の結果,尺骨神経導速度低下を認めた。症例2は44歳男性。交通事故後から左手指の脱力,環小指のしびれが出現し来院した。受診時,鷲手変形と握力の低下を認め,Froment signは陽性であった。精査の結果,尺骨神経伝導速度の低下を認めた。2例とも肘部管症候群の診断で手術を行った。尺骨神経はOsborne靱帯での絞扼は認めず,滑車上肘筋が神経を圧迫していた。滑車上肘筋自体が肘部管症候群の主因になることは少ないとされているが,繰り返しの筋収縮や外傷時の神経牽引などの動的要因が発症の契機になったと推察された。
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