Japanese
English
研究
大腿骨転子部骨折に対する髄内釘遠位スクリュー挿入時の大腿動脈損傷リスク
Risk factor of femoral artery injury associated with the distal screw of proximal femoral nail for femoral trochanteric fracture
淺野 陽平
1
,
山内 大輔
1
,
五之治 行雄
1
,
太田 敬
1
,
稲谷 弘幸
1
,
天谷 信二郎
1
Yohei ASANO
1
1福井県済生会病院,整形外科
キーワード:
Femoral trochanteric fracture
,
Iatrogenic vascular injury
,
Proximal femoral nail
Keyword:
Femoral trochanteric fracture
,
Iatrogenic vascular injury
,
Proximal femoral nail
pp.1021-1026
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000971
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要旨:大腿骨転子部骨折に対する髄内釘遠位スクリューによる大腿動脈損傷はまれだが重篤な合併症である。今回,造影CTを用いて遠位スクリューと浅大腿動脈(SFA)・大腿深動脈(DFA)・貫通動脈(PFA)の位置関係を調査し,損傷リスクを検討した。髄内釘固定後の11例22肢(男性1例,女性10例,平均年齢86.4歳)と健常な20例40肢(男性14例,女性6例,平均年齢71.0歳)を対象とした。実際の遠位スクリューの挿入高位は大転子上端から平均142.5±8.8mm,挿入角度は後顆を結んだ線に対し平均27.3°±15°だった。これに従い遠位スクリューの想定挿入範囲を27°±15°と仮定すると,大転子上端から遠位130~150mm高位では,DFAの存在率は3.9~9.8%と低いが大腿骨からの距離は13.1~13.6mmと近く,最も損傷リスクが高かった。また,DFAは遠位に向かうほど大腿内側の後方に多く存在し,大腿骨に接近しているため,整復不十分などにより髄内釘が内旋位で挿入されると,血管損傷リスクが増加する可能性が高い。
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