特集 胸郭出口症候群
扉
田中 栄
pp.104-104
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000764
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疾患概念は新たな発見を通じて時代とともに変化するものであるが,胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome;TOS)はまさに現在激しい議論の俎上に載せられている疾患である。TOSに関連した初めての学問的記載は,1861年のCooteによる頚肋切除の症例報告までさかのぼることができるそうであるが(井手の項参照),その後20世紀半ばにPeetらによって胸郭出口における腕神経叢や鎖骨下動静脈の圧迫によって生じる疾患としてTOSの概念が確立された。TOSは血管性(動脈性・静脈性)および神経性に分類されるが,前者はまれ(10%以下)であるとされている。
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