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特集 小児整形外科の最新知見
日本における発育性股関節形成不全(DDH)の最新知見
Developmental dysplasia of the hip update, screening, evaluation and treatment
北野 利夫
1
,
中川 敬介
1
Toshio KITANO
1
1大阪市立総合医療センター,小児整形外科
キーワード:
Developmental dysplasia of the hip(DDH)
,
Screening
,
Diagnosis/treatment
Keyword:
Developmental dysplasia of the hip(DDH)
,
Screening
,
Diagnosis/treatment
pp.37-42
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000740
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要旨:CDH(先天性股関節脱臼)に代わりDDH(発育性股関節形成不全)という用語が広く使われるようになったのは,hip dysplasiaが脱臼,亜脱臼,臼蓋形成不全という広いスペクトラムを持ち,成長に伴い状態が動的に変化する複雑な問題であることを包括的に表しているからである。すなわち,主たる病理は新生児期の股関節不安定性(neonatal hip instability)であり,その後数週間から数カ月この状態が続くか,もしくは脱臼が完成した場合,二次的に臼蓋形成が障害され発育性形成不全が完成する。日本小児整形外科学会の全国調査から,診断遅延例が多いことが明らかになり,国内のスクリーニング体制の検証と診断遅延回避の対策が実行されつつあるが,欧米と比較して検診体制の不備は否めない。DDH後の遺残臼蓋形成不全(RAD)と脱臼歴のない原発性臼蓋形成不全(PAD)の治療戦略はDDHに関するトピックスの一つであるが,成人股関節外科医を交えてその治療戦略を考える必要がある。
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