Japanese
English
特集 小児整形外科の最新知見
軟骨無形成症に対する治療の現状と薬物療法の可能性
Current and future therapeutic approaches for achondroplasia
松下 雅樹
1
,
鬼頭 浩史
1
Masaki MATSUSHITA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科,整形外科
キーワード:
Achondroplasia
,
FGFR3
,
Meclozine
Keyword:
Achondroplasia
,
FGFR3
,
Meclozine
pp.21-26
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000737
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:軟骨無形成症は,四肢短縮型低身長を呈する骨系統疾患であり,fibroblast growth factor receptor 3(FGFR3)の恒常的活性化変異により発症する。現在,低身長に対しては骨延長と成長ホルモンによって治療されている。また,軟骨無形成症に合併する大後頭孔狭窄と脊柱管狭窄は重篤な合併症であり,除圧術などがしばしば必要になる。しかし,軟骨無形成症の根本的治療法は存在しない。近年,FGFR3を抑制する根本的治療薬の開発が進んでいる。チロシンキナーゼインヒビター,抗FGFR3抗体,soluble FGFR3はいずれもFGFR3シグナルを抑制する。Cタイプナトリウム利尿ペプチドやメクロジンはFGFR3シグナルのMAPK経路を抑制する。PTHやスタチンには軟骨細胞の増殖・分化促進作用がある。これらは低身長の内科的治療法として期待されている。しかし,大後頭孔狭窄と脊柱管狭窄は頭蓋底や椎弓に存在する軟骨結合の早期閉鎖により発症するため,いずれの治療薬もできるだけ早期に投与する必要がある。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.