Japanese
English
臨床
解剖学的ACL再建術の再鏡視所見
-―2束と3束再建術式の前向きランダム化比較試験―
Second-look arthroscopic evaluation after anatomic anterior cruciate ligament reconstruction;a prospective randomized study comparing double- and triple-bundle techniques
松村 崇史
1
,
大坪 英則
2
,
神谷 智昭
1
,
鈴木 智之
3
,
池田 康利
4
,
山下 敏彦
1
Takashi MATSUMURA
1
,
Hidenori OTSUBO
2
,
Tomoyuki SUZUKI
3
,
Yasutoshi IKEDA
4
1札幌医科大学医学部,整形外科学講座
2札幌スポーツクリニック,整形外科
3札幌円山整形外科病院
4北海道社会事業協会 帯広病院,スポーツ医学センター
キーワード:
Anatomic ACL reconstruction
,
Second-look arthroscopy
,
Randomized controlled trial
Keyword:
Anatomic ACL reconstruction
,
Second-look arthroscopy
,
Randomized controlled trial
pp.1625-1631
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000709
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要旨:前十字靱帯再建術では,正常靱帯付着部に骨孔を作製する解剖学的再建術が推奨されている。自家ハムストリング腱を用いた2束再建術(DB)と3束再建術(TB)は,ともに良好な臨床成績が報告されているが,両術式の臨床成績を比較検討した報告はない。本研究では,両術式間の再鏡視所見を前向きランダム化試験により比較検討した。対象は,抜釘時に再鏡視を行った44例(TB 24例,DB 20例)とした。再鏡視では移植腱の緊張度,損傷,滑膜被覆および大腿骨孔開口部の間隙の有無を評価した。再鏡視所見では,移植腱の緊張は両群ともにおおむね良好であった。移植腱の部分断裂は,TBのAM束外側部線維に1例のみ認められた。滑膜被覆は,AM束ではDBが有意に良好であった(p=0.013)のに対し,PL束では,TBが良好な傾向を認めた。TBでは,PL束の過負荷を低減させる可能性があるが,過緊張や移植腱のインピンジメントの可能性も考えられるため,術前の術式選択には,靱帯付着部の形状や大きさも考慮すべきと考えられた。
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