臨床
前向きランダム化試験による解剖学的3束および2束前十字靱帯再建術の骨孔位置の検討
松村 崇史
1
,
大坪 英則
2
,
鈴木 智之
1
,
神谷 智昭
3
,
池田 康利
1
,
山下 敏彦
1
1札幌医科大学医学部,整形外科学講座
2札幌スポーツクリニック,整形外科
3帯広協会病院,スポーツ医学センター
キーワード:
Anatomic double-bundle ACL reconstruction
,
Anatomic triple-bundle ACL reconstruction
,
Tunnel placement
Keyword:
Anatomic double-bundle ACL reconstruction
,
Anatomic triple-bundle ACL reconstruction
,
Tunnel placement
pp.1021-1027
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000087
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前十字靱帯再建術(ACLR)では,正常靱帯付着部内に正確に骨孔を作製することが重要である。本研究の目的は,3 束(TB)ACLR術後の骨孔位置と骨孔重複率を3D-CTを用いて計測し,2 束(DB)ACLRと比較検討することである。初回ACL損傷60 例に対し,術式をTB-ACLR もしくはDB-ACLR とした前向きランダム化比較試験を行った。手術での骨孔作製は,いずれの骨孔もoutside-in法を用い,大Ð骨側は両術式ともに2 つ,脛骨側はTBACLRでは3 つ,DB-ACLR では2 つ作製した。術後に3D-CT を用い,骨孔開口部位置と重複について評価した。その結果,全例正常靱帯付着部内に骨孔が作製されていた。脛骨骨孔開口部の重複は両術式ともに約30%に認められたが,術式による有意差を認めなかった。骨孔重複の回避には,正常靱帯付着部の大きさや形状を術前に把握し手術計画を立てる必要性が示された。
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