Japanese
English
特集 臨床解剖学の新たな知見
肘の解剖
Functional anatomy of the elbow joint
大歳 憲一
1
Kenichi OTOSHI
1
1おおとし消化器科整形外科
キーワード:
Functional anatomy
,
Capsulo-ligamentous complex
,
Elbow pain
Keyword:
Functional anatomy
,
Capsulo-ligamentous complex
,
Elbow pain
pp.1457-1463
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000667
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要旨:肘関節の安定化には,骨性要素と軟部組織要素の両者が相補的に関与している。軟部組織要素である腱膜,靱帯,および関節包は,関節包靱帯複合体として一体化して機能しており,その骨付着部も含めて関節の安定性に寄与している。肘関節の不安定性を評価する場合は,骨性要素と軟部組織要素を別々に論じるのではなく,関節包靱帯複合体と骨性要素との関連も含めて,総合的に判断する必要がある。肘関節の痛みに関連する因子は,関節外要因と関節内要因に分けられる。関節外要因としては,外側,内側上顆炎に代表される腱付着部障害が代表的であり,主病変部の正確な把握とそれに対する適切な対処が重要である。滑膜ヒダは,その特徴的な構造から,関節内由来の痛みの原因となりうる。しかし滑膜ヒダそのものは正常肘関節にも認められる組織であり,関節内の炎症や摩擦などによる滑膜ヒダの後天的な性状の変化が症状発現に関与している可能性が高い。
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