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特集 これで完璧! 手の変形性関節症―最新のエビデンスから紐解く―
1.基礎科学
STT関節の機能解剖
Functional anatomy of the scaphotrapezio-trapezoidal(STT)joint
目貫 邦隆
1
Kunitaka MENUKI
1
1産業医科大学,整形外科
キーワード:
Scaphotrapezio-trapezoidal(STT)joint
,
Functional anatomy
,
Scaphotrapezial ligament
Keyword:
Scaphotrapezio-trapezoidal(STT)joint
,
Functional anatomy
,
Scaphotrapezial ligament
pp.483-488
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000436
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要旨:STT関節(scaphotrapezio-trapezoid joint)には,舟状骨大菱形骨靱帯,舟状骨有頭骨靱帯,有頭骨大菱形骨靱帯の3つの靱帯を有する。その中でも舟状骨大菱形骨靱帯がSTT関節のmajor stabilizerであり,STT関節の回転軸は舟状骨大菱形骨靱帯の付着部と舟状骨有頭骨靱帯を結ぶ線に一致することから,舟状骨大菱形骨靱帯は,STT関節の側副靱帯の役割をもつとされる。STT関節は,橈背側から掌尺側へ斜め45°の,いわゆるダーツスロー方向の一軸性関節である。STT関節症の発症機序としては,舟状骨大菱形骨靱帯構成体の損傷による外傷性のものや,有頭骨大菱形骨靱帯の低形成やSTT関節の骨性被覆などの解剖学的変異によるもの,舟状骨や月状骨の背屈転位が多くみられることから手根骨の配列異常との関連が示唆されている。外傷性の関節症を防ぐには,舟状骨大菱形骨靱帯の評価が重要であり,関節造影やストレスX線撮影による動的評価が必要である。
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