特集 整形外科疾患に対するエコーガイド下注射の最前線
大人の肘痛に対する超音波ガイド下intervention
宮武 和馬
1
1横浜市立大学医学研究科,運動器病態学教室
キーワード:
Elbow pain
,
Ultrasonography
,
ntervention
Keyword:
Elbow pain
,
Ultrasonography
,
ntervention
pp.859-873
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000054
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人の肘痛には関節内,関節外,両者が混在しているものなど様々ある。そのため,靱帯,筋膜,滑膜,神経,骨など痛みを発している部分を特定することが重要となる。身体所見では圧痛を中心に,障害に応じたspecial testも用いて診断を確定していく。特に圧痛は重要であり,超音波診断装置(以下,エコー)を用いることで圧痛の整合性をとる。またX線像では診断できない障害がほとんどであり,エコーを用いて診断を行う必要がある。障害を診断した後に治療を行う。肘関節治療に革命をもたらしたのがエコーガイド下interventionである。特に肘関節周囲には神経・血管が多く存在しており,超音波ガイド下で行うことにより,実際に神経・血管を見ながら診断部位に安全に注射ができる。また,機序こそ未だ明確な答えは出ていないが,fascia,神経周囲への生理食塩水注射(hydro-release)も注目され始めてきている。回外筋fascia,橈骨神経,尺骨神経など生理食塩水を用いて疼痛が改善される例が存在する。
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