膝蓋骨骨折に対する鋼線締結法による骨接合後に膝関節内に鋼線が迷入した1例

Intra-articular migration of broken patellar circumferential wire；a case report

要旨：膝蓋骨骨折に対し鋼線締結法で骨接合術後に鋼線の折損片が膝関節内後方に迷入した1例を経験した。症例は62歳女性，右膝蓋骨骨折に対し鋼線締結法にて骨接合を行ったが術後に転倒し開放性再骨折を受傷したため，再度骨接合を行った。術後2年の単純X線で鋼線折損片の膝関節内後方への迷入を認めたため，すべての鋼線を摘出した。鋼線締結による手術では鋼線の折損，折損片の転位のリスクを考慮し，骨癒合後は速やかに抜去することが望ましい。