腰椎椎体間固定術と椎体終板骨囊腫の関係性

Relationships between lumbar interbody fusion and vertebral endplate cysts

要旨：腰椎椎体間固定術後の椎体終板に発生する囊腫様病変（椎体終板骨囊腫）はしばしば経験され，偽関節の危険因子と報告されている。今回，術前の骨囊腫（シュモール結節を含む）と偽関節の関係，当院で行われている内視鏡下TLIFにおける骨囊腫の発生率，骨囊腫と椎弓根スクリューの緩みとの関係，cage形状の骨囊腫に与える影響，骨囊腫の経時変化を検証した。結果，術前の骨囊腫は偽関節の危険因子とはならなかった。内視鏡下TLIFでの骨囊腫発生率は33％であった。骨囊腫と椎弓根スクリューの緩みは各々，偽関節の危険因子であったが，併存により偽関節の割合が増加した。Cage形状ではbullet shaped cageとkidney shaped cageで骨囊腫の発生率に差は認めなかった。経時変化では骨囊腫の58％が経過中に縮小・消失し，骨囊腫全体では42％が骨癒合に至った。