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腰椎側方椎体間固定術と腰椎後方椎体間固定術の術後創部感染発生率の比較
Incidence of surgical site infection following lateral lumbar interbody fusion compared with posterior/transforaminal lumbar interbody fusion:a propensity score-weighted study
桝田 崇一郎
1
S. Masuda
1
1京都市立病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kyoto City Hospital, Kyoto
キーワード:
LLIF
,
P/TLIF
,
SSI
Keyword:
LLIF
,
P/TLIF
,
SSI
pp.1079-1082
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1079
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【要 旨】
目 的:腰椎側方椎体間固定術(LLIF)は腰椎後方椎体間固定術(P/TLIF)にかわる術式として近年普及してきている.しかし,P/TLIFと比較したLLIF後の創部感染(SSI)リスクに関する報告はほとんどない.本研究の目的は,LLIFとP/TLIFのSSI発生率を比較することである.
対象および方法:2013~2020年に腰椎変性疾患に対してLLIFまたはP/TLIFを受けた患者を対象に,過去起点コホート研究を実施した.本研究は診断群分類別包括評価制度(DPC)データベースを使用した.傾向スコアを使用し,年齢,性別,body mass index(BMI),既往症,固定椎間数,病院の規模,および手術年次などの交絡因子の両群間の違いを調整した.主要評価項目を術後30日以内のSSIとし,オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した.
結 果:LLIF群2,874例,P/TLIF群24,245例が本研究の対象患者となった.LLIF群はP/TLIF群と比較して,有意にSSIのリスクが低かった[0.7% vs. 1.3%,調整OR 0.57(95%CI 0.36~0.92),p=0.02].LLIF群は輸血のリスクも低かった[7.8% vs. 11.8%,調整OR 0.63(95%CI 0.54~0.73),p<0.001].
結 論:大規模な過去起点コホート研究において,LLIFはP/TLIFに比べてSSIのリスクが有意に低かった.本結果は,術者の術式選択の際の一助となる可能性がある.
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