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腰椎後方椎体間固定術後12ヵ月における偽関節予防に固定椎体間の移植骨と軟骨終板の十分な接触が与える影響
Impact of sufficient contact between the autograft and endplate soon after surgery to prevent nonunion at 12 months following posterior lumbar interbody fusion
後迫 宏紀
1
H. Ushirozako
1
1浜松医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu
キーワード:
cyst sign
,
cartilage endplate
,
osseous union
,
titanium cage
,
PLIF
Keyword:
cyst sign
,
cartilage endplate
,
osseous union
,
titanium cage
,
PLIF
pp.81-83
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_81
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【要 旨】
目 的:後方椎体間固定(PLIF)術後の偽関節は健康関連QOLの改善不良と関連があると報告されている.本研究ではPLIF術後の偽関節に影響を与える因子を調査し,その予防策を検討した.
対象および方法:2016~2018年に1椎間PLIFを施行した138例を対象とした(平均年齢67歳,術後経過観察期間1年).固定椎体間の腰椎単純CTを用い,移植骨占有率(移植骨が冠状面に占める割合×矢状面に占める割合),移植骨と椎体終板間の透明帯形成(椎体直径に対し50%以上の軟骨終板残存を「あり」と定義)を評価した.骨癒合はBridwellの方法に従い,術後12ヵ月時に腰椎単純CT矢状面および冠状面中央に上下の両側癒合症例を癒合あり群(あり群)とし,それ以外のなし群(なし群)と比較した.
結 果:癒合あり群は62例(45%)であった.あり群の術直後移植骨占有率は59%,なし群は53%であり,固定椎体間における移植骨占有率が高い症例は椎体間癒合例が多かった(p<0.05).術直後から術後12ヵ月の間に,あり群の移植骨量は5%減少し,なし群は12%減少し,なし群で有意に減少していた(p<0.05).あり群の術直後透明帯形成例は23%,なし群は50%であり,術直後に移植骨と椎体終板の接触が不足している症例は椎体間偽関節例が多かった(p<0.01).
結 論:術中に移植骨と椎体終板の十分な接触を得ることは,PLIF術後12ヵ月時に椎体間癒合を得るために重要である.
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