整形外科手術 名人のknow-how
ALS THAにおいて筋腱を完全温存するための展開のコツ
久留 隆史
1
Takashi HISATOME
1
1板橋中央総合病院,整形外科
pp.1004-1009
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000564
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仰臥位前外側進入の人工股関節置換術(以下,ALS THA)は仰臥位で行うため透視装置の操作が容易であることにより,カップのみならずステム設置の確認が術中に可能である。大腿骨操作に関しても大腿筋膜張筋を内側に避け大腿骨を外方移動させて髄腔の操作を行うため,direct anterior approachの際の前方挙上とは異なり共同腱の温存がより高い確率で可能であると考えられる。しかしながら小殿筋や関節包(特に坐骨大腿靱帯)の付着部の解剖学的特性を理解せずに軟部組織の処理を行うと,術後の画像評価にて内閉鎖筋と小殿筋の筋萎縮をみて愕然とすることがある1)。筆者らはこれらの解剖学的特性に留意して関節包の処理を行い,筋腱完全温存ALS THAを施行しているのでその方法の詳細について詳述する。
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