整形外科手術 名人のknow-how
筋腱完全温存および関節包靱帯完全修復ALS THA
赤石 孝一
1
Koichi AKAISHI
1
1弘前記念病院,整形外科
pp.2-5
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001993
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人工股関節全置換術(total hip arthroplasty;THA)を行う際には様々なアプローチが存在する。その一つであるanterolateral supine(ALS)approachの利点は,軟部組織の温存に優れており視認性も良好である。個々の症例に対し可動域を獲得する目的で軟部組織を選択的かつ戦略的に切離することや,耐脱臼抵抗性を獲得するために温存・修復することも可能である。短外旋筋群はすべて温存し,3つの関節包靱帯(腸骨大腿靱帯垂直束・恥骨大腿靱帯・坐骨大腿靱帯)も温存できる。しかしながら股関節内の展開を行うために,腸骨大腿靱帯横走束の切開は必ず必要となる。腸骨大腿靱帯横走束の完全修復をすることにより4つの関節包靱帯の機能を獲得することで,さらなる股関節安定性が期待できる。
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