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特集 整形外科医に役立つ高齢者リウマチ性疾患の知識
整形外科医が知っておくべき巨細胞性動脈炎の概要
Outline of giant cell arteritis that orthopaedists should know
吉藤 元
1
Hajime YOSHIFUJI
1
1京都大学大学院医学研究科,内科学講座臨床免疫学
キーワード:
Giant cell arteritis
,
Temporal arteritis
,
Polymyalgia rheumatica
Keyword:
Giant cell arteritis
,
Temporal arteritis
,
Polymyalgia rheumatica
pp.925-930
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000540
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要旨:巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis;GCA)は,血管炎という疾患カテゴリに属する自己免疫疾患であり,高齢者に多い。GCAは頭蓋領域の動脈を侵し,病理学的には動脈の内弾性板が破壊され,その近傍に巨細胞が出現する。動脈の炎症または虚血により,局所的頭痛,顎跛行,失明などの症状をきたす。さらに,GCAは大動脈瘤などの大型血管病変を伴うことがあり,予後に関わる。標準治療はステロイド内服であるが,ステロイド単独ではしばしば再燃する。近年,抗IL-6受容体モノクローナル抗体tocilizumabの有効性が示され,保険適用を取得した。リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica;PMR)の一部にGCAを合併することがあるため,一般整形外科医も,PMR患者に遭遇した際は,GCAの合併がありうるということを知っておくべきである。
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