Japanese
English
研究と報告
精神症状を呈した側頭動脈炎とS. L. E. の合併症
A Case of Autoimmune Overlapping Syndrome of Temporal Arteritis and Systemic Lupus Erythematosus (S. L. E. ) Associated with Psychotic Symptoms
笠 正明
1
,
人見 一彦
1
,
岡田 幸夫
1
,
山本 博
2
,
辻村 大次郎
2
Masaaki Kasa
1
,
Kazuhiko Hitomi
1
,
Sachio Okada
1
,
Hiroshi Yamamoto
2
,
Daijiro Tsujimura
2
1近畿大学医学部精神医学教室
2近畿大学医学部第2内科
1Department of Neuropsychiatry, Kinki University School of Medicine
2The Second Department of Internal Medicine, Kinki University School of Medicine
キーワード:
Temporal arteritis
,
S. L. E.
,
Psychotic symtoms
,
Cerebral infarction
Keyword:
Temporal arteritis
,
S. L. E.
,
Psychotic symtoms
,
Cerebral infarction
pp.913-919
発行日 1981年9月15日
Published Date 1981/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203306
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 側頭動脈炎は,Hortonらが1934年,一疾患単位として確立し,現在では自己免疫疾患として認められているが本邦においては,症例が少なく,精神症状の記載もない。
我々は,抑うつ状態に初まり拒否的態度から幻視を伴なうせん妄状態に陥り約1ヵ月の経過で急激に回復した側頭動脈炎と全身性エリテマトーデス(S. L. E. )の合併した症例を経験した。
この症例では,CT scanに側頭・後頭葉の脳硬塞病変が発見されており,幻視を中心とする精神症状との関連において非常に興味あると思われたので,症状精神病の病像と脳器質病変の関連を中心に,若干の文献的考察を加えた。
又,この症例においては,治療状況・家族生活史の問題など心理反応的な側面も明瞭であったので,このような身体的基盤・心理的側面の両面より,症状精神病の病像形成にも考察を加えた。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.