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特集 整形外科医に役立つ高齢者リウマチ性疾患の知識
顕微鏡的多発血管炎(MPA)
Microscopic polyangiitis
渡辺 晴樹
1
,
佐田 憲映
1
Haruki WATANABE
1
1岡山大学大学院医歯学総合研究科,腎・免疫・内分泌代謝内科学
キーワード:
Chapel Hill Consensus Conference
,
Antineutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)
,
ANCA-associated vasculitis
Keyword:
Chapel Hill Consensus Conference
,
Antineutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)
,
ANCA-associated vasculitis
pp.931-936
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000541
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要旨:血管炎とは液性免疫・細胞性免疫の異常などによって血管壁に炎症が生じ,諸臓器に出血や梗塞を引き起こす全身性疾患である。罹患血管サイズに基づく3つのカテゴリーと,罹患血管の種類・障害臓器・原因などに基づく4つのカテゴリーに分けられている。小血管を主体とした壊死性血管炎であるANCA関連血管炎,なかでも肉芽腫性病変の認められないものと定義される顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis;MPA)は本邦の高齢者に多く,腎・生命予後に影響する。原因不明の発熱,関節痛,痺れ,紫斑,血尿・腎機能低下や間質性肺炎など多彩な全身症状を認めれば,血管炎を疑いANCAの測定を考慮する。現在国際的に統一された血管炎の分類・診断基準作成のため,多施設国際共同研究が進行中である。またANCA関連血管炎の疾患分類には欧米と疫学的相違があり,有効性と安全性のバランスに優れた本邦独自の治療法開発が必要である。
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