整形外科手術 名人のknow-how
脊髄係留症候群に対する手術
三好 光太
1
,
竹下 祐次郎
1
Kota MIYOSHI
1
1横浜労災病院,整形外科・脊椎脊髄外科
pp.894-897
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000533
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脊髄係留症候群は脊髄終糸,脊髄脂肪腫や硬膜内外の索状物により脊髄円錐部が腰仙椎の低位に係留され,低位脊髄円錐の状態により神経症状を呈する疾患であり,複数の病態が含まれている。本症候群により進行性の脊髄症状が発現した場合にはほぼ全例が手術の適応と考えられるが,無症候性脊髄脂肪腫に対しての予防的早期手術の提唱もみられる。しかし,低位脊髄円錐の原因となった病態に加え,脊柱変形,狭窄症,空洞症や脂肪腫の増大など複数の病態の合併例や,さらには解除後の再係留例もあり,手術治療にあたっては神経症状発現の病態を検討した上で適切な術式を選択することが肝要である。本稿ではこれらを述べた上で,われわれが行っている係留解除術のポイントを紹介する。
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