Japanese
English
症例報告
キアリ奇形に伴う脊髄空洞症および脊髄係留症候群を合併した側弯症の1例
Scoliosis with Chiari Malformation, Syringomyelia and Tethered Cord Syndrome : A Case Report
後藤 学
1
,
松山 幸弘
1
,
川上 紀明
2
,
松原 祐二
2
,
金村 徳相
2
Manabu Goto
1
1名古屋大学医学部整形外科
2名城病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
scoliosis
,
側弯症
,
Chiari malformation
,
キアリ奇形
,
tethered cord syndrome
,
脊髄係留症候群
Keyword:
scoliosis
,
側弯症
,
Chiari malformation
,
キアリ奇形
,
tethered cord syndrome
,
脊髄係留症候群
pp.1201-1204
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903394
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抄録:キアリ奇形に伴う脊髄空洞症および脊髄係留症候群を合併した側弯症の1例を経験した.初診時上肢腱反射亢進,下肢病的反射,腹壁反射右側消失,臍部以下の知覚低下,夜尿,尿失禁等の排尿障害を認め,両凹足変形を呈していた.X線像にてT7~T12をメインカーブとする39°の側弯と仙椎のspina bifidaを認めた.MRIでは広範な空洞と低位脊髄円錐を認め,脊髄造影およびCTMでは終糸が描出された.手術はまず終糸切離術を施行し,空洞縮小はみられなかったが,排尿障害の改善を得た.次いで術後3カ月,後頭蓋窩減圧術を施行.術後2カ月にて空洞縮小を認め,初診より1年3カ月後の現在,側弯の進行を認めず,反射,知覚障害,排尿障害とも改善した.治療は,まず脊髄の緊張緩和,側弯の進行防止を目的とし,脊髄係留症候群に対する手術と,キアリ奇形,空洞症に対する手術を行ったうえで側弯に対する手術を検討するのが好ましいと思われた.
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