人工指関節置換術 -―PIP関節：表面置換型―

Surface replacement arthroplasty for osteoarthritis of the proximal interphalangeal joint

要旨：2年以上経過観察しえた変形性指PIP関節症に対する掌側進入によるセメントレス人工関節の成績を検討した。症例は10例16指，手術時年齢は平均66歳，術後経過観察期間は平均44カ月であった。検討項目は，関節可動域，自覚症状，Mayo Clinic score評価^1），再置換の有無とした。関節可動域は術前平均伸展−11°が最終診察時−17°，術前平均屈曲53°が最終診察時74°と獲得可動域は平均15°であった。疼痛は全例で消失した。Mayo Clinic scoreはGood 10，Fair 1，Poor 5であった。示指1指で再置換を施行した。セメントレスのためインプラントの挿入深度の調整が容易であった。掌側進入は屈曲可動域の改善を認め，背側伸筋腱の操作が不要なことが多い変形性指PIP関節症には有効であった。本法は疼痛および屈曲可動域の改善が得られる有効な手術であった。