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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅶ.肘部管症候群,Guyon管症候群
重度肘部管症候群に対する腱移行術
Results for severe cubital tunnel syndrome by nerve decompression and simultaneous tendon transfer
森澤 妥
1
Yasushi MORISAWA
1
1成増慶友整形外科リウマチ科
キーワード:
Cubital tunnel syndrome
,
Simultaneous
,
Tendon transfer
Keyword:
Cubital tunnel syndrome
,
Simultaneous
,
Tendon transfer
pp.657-663
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002137
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要旨:重度肘部管症候群に対する腱移行術によるつまみ動作再建方法,その治療成績について検討した。対象は赤堀分類のstage 4以上で,母指内転筋と第1背側骨間筋の筋萎縮があり,つまみ動作の困難を訴えた20例20肘である。腱移行術は母指内転再建と示指外転再建を施行した。具体的には母指内転再建としては短橈側手根伸筋腱と移植腱を用いるSmith法,示指外転再建としては長母指外転筋腱と移植腱を用いるNeviaser法を施行した。今回,術式の詳細と治療成績(主にピンチ力に関して)について述べた。結果は,ピンチ力および腱移行した示指外転力と母指内転力も回復し,ADL障害の改善を認めた。ピンチ力の術前との比較の経時的な変化は3カ月で1.33倍,6カ月で1.59倍,1年で1.93倍,2年で2.20倍,3年で2.44倍であった。高度な筋萎縮が存在し,患者がつまみ動作の困難を訴える症例では腱移行術は積極的に施行されることが望ましい。
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