Japanese
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特集 高齢者の脊髄損傷
超急性期のマネジメントと注意すべき合併症
Early management and complications of cervical spinal cord injuries in elderly patients
井口 浩一
1
,
大饗 和憲
1
,
八幡 直志
1
,
米本 直史
1
Koichi INOKUCHI
1
1埼玉医科大学総合医療センター,高度救命救急センター
キーワード:
Spinal shock
,
Antithrombotic drugs
,
Polytrauma
Keyword:
Spinal shock
,
Antithrombotic drugs
,
Polytrauma
pp.299-308
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000370
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要旨:後期高齢者の頚髄損傷は,入院中死亡率が40%と極めて高い。どの時点で手術を行うとしてもリスクは高いが,集中治療医,麻酔科医と密接な連携があれば,超急性期の手術はハイリスク・ハイリターンが期待できる一つの選択肢である。動脈硬化の著明な症例は,血圧が低いと脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが高くなるが,受傷前は高血圧であるため目標血圧の設定が難しく,特に神経原性ショックの時期は血圧コントロールに細心の注意を要する。また高度徐脈に対する対応や,呼吸器リハビリに関しては他職種との連携が必要である。様々なリスクに対応できる集学的治療体制で手術・集中治療・リハビリを行うと,良好に麻痺が改善する症例もある。手術による麻痺の悪化を防ぐために,高齢者では頚椎脱臼に対して整復固定術に加えて除圧術の併用を検討すること,非骨傷性頚髄損傷に対して除圧術に加えて固定術の併用を検討することが必要である。
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