Japanese
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特集 整形外傷治療 update 2021
多発外傷におけるdamage control spineの有用性
Efficiency of damage control spine in polytrauma
中村 憲明
1
,
宮本 俊之
1
,
横田 和明
2
,
山田 周太
2
,
津田 圭一
2
,
田上 敦士
2
,
尾﨑 誠
2
Noriaki NAKAMURA
1
,
Kazuaki YOKOTA
2
1長崎大学病院,外傷センター
2長崎大学,整形外科
キーワード:
Damage control spine
,
Polytrauma
,
Thoracolumbar fractures
Keyword:
Damage control spine
,
Polytrauma
,
Thoracolumbar fractures
pp.1207-1213
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001868
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要旨:不安定な脊椎外傷に対して早期の脊椎安定化は生命予後の上で重要であるが,急性期の合併症を減らすことを目的としてdamage controlの概念を脊椎外傷にもあてはめたdamage control spine(DC spine)が提唱された。近年,経皮的椎弓根スクリューによる低侵襲かつ短時間での脊椎安定化が可能となり,より一層damage controlの概念に則した早期の脊椎安定化が可能となった。それに伴って脊椎の早期安定化が有用であるという報告が散見され,早期のDC Spineが重要視されるようになってきた。DC Spineを早期(72時間以内)に行うことで受傷早期から座位保持が可能になり,呼吸機能の改善が得られ,敗血症や呼吸不全など臥床に伴って生じる合併症の発生を減少させ,死亡率を低下させることができる。頭部外傷や胸部外傷を伴う重症外傷症例ほどその有用性が高い。また,四肢骨盤外傷を伴った重症外傷症例においては,全身の合併症の発生率を減らすことにより,その後の外傷治療もスムーズに行うことが可能となる。
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