整形外科手術 名人のknow-how
逸脱半月板に対する鏡視下centralization法
古賀 英之
1
Hideyuki KOGA
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科,運動器外科学
pp.2-6
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000303
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半月板の外方への逸脱はhoop機能の破綻を意味し,半月板の荷重分散機能が失われて関節軟骨に対する負荷が増大することから,変形性関節症(osteoarthritis;OA)の進行1)やOA患者の膝痛2)と相関があると報告されている。逸脱の原因としては後根部の断裂や放射状断裂3),半月板部分切除後4),円板状半月板術後5)などが報告されている。そのうち後根部断裂や放射状断裂については,近年の手術手技の発達により解剖学的に修復が可能になってきている6)7)。一方,部分切除術後や円板状半月板術後に生じる逸脱およびそれに伴うOAに対しては,これまで有効な手術方法はなかった。そこでわれわれは逸脱に対する新たな治療の試みとして,逸脱した半月板をアンカーを用いて内方化させる方法(鏡視下centralization法)を行っており8),まだ短期ではあるが良好な成績が得られている9)。
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