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外側円板状半月板の逸脱
-――無症候例,正常半月板との比較と逸脱をきたす関連因子
Intrameniscal degeneration and meniscotibial ligament loosening are associated factors with meniscal extrusion of symptomatic discoid lateral meniscus
西野 壱哉
1
,
橋本 祐介
1
,
飯田 健
1
,
木下 拓也
1
,
中村 博亮
1
K. Nishino
1
,
Y. Hashimoto
1
,
K. Iida
1
,
T. Kinoshita
1
,
H. Nakamura
1
1大阪公立大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
MRI
,
extrusion
,
discoid lateral meniscus
Keyword:
MRI
,
extrusion
,
discoid lateral meniscus
pp.935-937
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_935
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【要 旨】
目 的:半月板の逸脱はhoop機構の破綻を意味し,変形性関節症(OA)をきたす.症状を有する外側円板状半月板(DLM)の治療に際して,術前MRIで逸脱を認めることがあるが,その関連因子は明らかでない.本研究ではDLMの逸脱について,症状の有無,正常半月板との比較を行い,逸脱をきたす関連因子を検討した.
対象および方法:当施設においてMRIでDLMと診断された86膝(有症状63膝)と,外側半月板(LM)に形態異常,損傷がない31膝を対象とした.LMの逸脱はMRI脂肪抑制冠状断像で計測した.有症状群,無症状群,正常群で逸脱量を比較・検討した.また,有症状群において,手術における不安定性,MRIでのmeniscotibial ligament(MTL)の弛み,半月板の内部高信号と逸脱との関連を評価した.
結 果:3群間で患者背景に有意差はなかった.LMの逸脱量は有症状群で有意に大きかった(有症状DLM 1.0±1.1mm,無症状DLM 0.1±0.4mm,正常LM 0.3±0.6mm,p<0.001).多変量線形回帰分析ではMTLの弛み[β=1.45,95%信頼区間(CI)1.03~1.86,p<0.001]と半月板内部変性(β=0.49,95%CI 0.09~0.90,p=0.002)が関連因子であった.
結 論:有症状DLMは1.1mmの逸脱量を呈し,無症状,正常群よりも大きかった.MTLの弛みと半月板内部高信号が逸脱との関連因子であった.
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