連載 私の整形外科診療のコツ
第6回
逸脱半月板-鏡視下centralization法におけるコツ-
古賀 英之
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科運動器外科学
pp.345-350
発行日 2020年3月19日
Published Date 2020/3/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000174
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半月板の外方への逸脱は,hoop機能の破綻を意味し,半月板の荷重分散機能が失われて関節軟骨に対する負荷が増大することから,変形性関節症(osteoarthritis;OA)の進行やOA患者の膝痛と相関があると報告されている。逸脱の原因としては後根断裂や放射状断裂,半月板部分切除後,円板状半月板術後などが報告されている。そのうち後根断裂や放射状断裂については近年の手術手技の発達により解剖学的に修復が可能になってきている。一方,部分切除術後や円板状半月板術後に生じる逸脱およびそれに伴うOAに対しては,これまで有効な手術方法はなかった。そこで筆者らの施設では逸脱に対する新たな治療の試みとして,逸脱した半月板にアンカーを用いて内方化させる方法(鏡視下centralization法)を行っており,まだ短期ではあるが良好な成績が得られている。
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