症例
後療法として固定法を施行したzone 1手指屈筋腱損傷の治療成績
森谷 浩治
1
,
吉津 孝衛
1
,
坪川 直人
1
,
成澤 弘子
1
,
秦 命賢
1
,
牧 裕
1
1(財)新潟手の外科研究所
キーワード:
Flexor tendon injury
,
Immobilization protocol
,
Zone 1
Keyword:
Flexor tendon injury
,
Immobilization protocol
,
Zone 1
pp.1629-1633
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000246
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要旨:Zone 1 手指屈筋腱損傷の修復後に固定法を施行した症例の治療成績について調査した。対象は2012〜2016年に加療した4例4指で,手術時年齢は21〜75歳であった。損傷指は示指2 指,中指1指,環指1指,深指屈筋(FDP)腱の修復は4-strand 縫合が2 指,6-strand縫合が2 指であった。術後平均3.5週の背側ギプスシーネによる外固定後から可動域(ROM)訓練を開始した。経過観察期間は15〜51週であった。合併症はなく,最終診察時の総自動運動域は157°〜240°,遠位指節間(DIP)関節のROMは17°〜65°であった。Zone 1手指屈筋腱損傷に対して固定法を施行した場合,その治療成績は必ずしも良好とはいえない。ただし,FDP 腱停止部における損傷では,修復術後に発生する癒着がDIP関節のROMへ影響することは少なく,そのため固定法であっても良好な治療成績が獲得できると考える。
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