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早期自動運動療法を行った手指屈筋腱損傷における腱剥離術施行症例の検討
Incidence of tenolysis and features of adhesions in the digital flexor tendons after multi-strand repair and early active motion
森谷 浩治
1
K. Moriya
1
1新潟手の外科研究所
1Niigata Hand Surgery Foundation, Niigata
キーワード:
early active mobilization
,
flexor tenolysis
,
zone 2
Keyword:
early active mobilization
,
flexor tenolysis
,
zone 2
pp.833-836
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_833
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【要 旨】
目 的:早期自動運動療法(EAM)施行後に腱剥離術を行った手指屈筋腱損傷例について調査した.
対象および方法:1993~2017年に治療した手指屈筋腱損傷132例148指中,腱剥離術を行った症例は7例7指であった.この7例の損傷部位はすべてzone 2であり,腱剥離術後の経過観察期間は25~56(平均39)週であった.
結 果:腱剥離術は屈筋腱縫合術後4~24(平均14)週で実施されていた.癒着の主因は浅指屈筋(FDS)腱と深指屈筋(FDP)腱間の相互癒着であり,腱剥離術後の最終診察時の近位および遠位指節間関節の可動域(ROM)の和は57°~180°(平均123°)であった.
結 論:EAMを実施しても手指屈筋腱損傷の5%程度には腱剥離術が施行されていた.腱剥離術によるROMの改善は少なく,EAMではFDP腱とFDS腱間における滑走距離差を生じさせるような訓練をいかに行うかが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020