論述
手指屈筋腱損傷におけるcombined twostage tenoplasty(Chongら)の経験と検討
前田 敬三
1
,
三浦 隆行
1
,
駒田 俊明
1
,
千葉 晃泰
1
,
木野 義武
2
,
中村 蓼吾
3
Keizo MAEDA
1
1名古屋大学分院整形外科
2名古屋掖済会病院整形外科
3西尾市民病院整形外科
pp.1161-1167
発行日 1977年12月25日
Published Date 1977/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905631
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はじめに
悪条件下にある手指腱損傷の修復に画期的とも思われるSilicone rodやHunter tendon等pseudosheathの形成に与かり,実際の臨床に応用できる人工腱の開発は,その後の腱損傷修復の適応を広げ,かつ腱手術の成績の向上に多大の寄与をなしたことは事実である.1968年以降,私達の教室でも広く人工腱を利用し,その経過は逐次報告6,7)しているが,現在までにその使用例は100例を越えている.
1972年にChongら2)はこれら人工腱の使用と,最初の手術で患指の浅指屈筋腱と深指屈筋腱の中枢端同志を縫合しておき,第2回目の手術で浅指屈筋腱を反転移植するPaneva-Holevich9)のいうtwo-stage tenoplastyとを組み合わせたcombined two-stage tenoplastyを報告した.私達もこの方法の利点に注目して同年から人工腱使用例中でこの方法を採用しているので,今までに得られた結果を他の人工腱使用での2段階手術施行例と比較検討してcombined two-stage tenoplastyの長所,短所について検討を加えたい.
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