論究
整形外科外来におけるdecision-making―a doctorʼs use of communication strategies
西野 仁樹
1
,
西野 孝子
2
1東京大学医学部附属病院,整形外科・脊椎外科
2神田外語大学,英米語学科
キーワード:
Shared decision making
,
Communication strategies
,
Audio-recorded data
Keyword:
Shared decision making
,
Communication strategies
,
Audio-recorded data
pp.1617-1622
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000244
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要旨:医療パターナリズム否定と患者参加の必要性は近年強調されている。Shared decisionmodel は2006 年のBugge によって言及されるようになり,医療コミュニケーションの研究は,昨今大きく進展した。近年のガイドラインには,必ずshared decision と記載されているが,その実施方法を具体的に記載しているものは少ない。本研究は,shared decision が日本で普及以前である2002 年の時点で,43 名の外来患者からのaudio-recorded data を収集解析し,医療現場でいかにclinical decision が行われ,医師がどのようなcommunication strategyを使用しているかを解析した。Strategy は患者によって個別化され,いくつかの方法が意識せずに使い分けられることが判明した。Shared decision という概念下ではないが,実際それに近い患者-医師コミュニケーションが行われていた。整形外科一般臨床ではshareddecision は必要不可欠であり,患者-医者コミュニケーションにおける信頼性獲得にも有用である。ただし,個別性が高くより体系化が必要であろう。
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