Japanese
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特集 統合失調症の治療ゴールをめぐって
薬物療法の視点から—薬物療法を通して何ができるか
From the Viewpoint of Pharmacotherapy:What we can do by pharmacotherapy to attain recovery
渡邊 衡一郎
1
Koichiro Watanabe
1
1杏林大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Clinical recovery
,
Personal recovery
,
Schizophrenia
,
Shared decision making
,
Adherence
Keyword:
Clinical recovery
,
Personal recovery
,
Schizophrenia
,
Shared decision making
,
Adherence
pp.365-373
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205808
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抄録 リカバリーのうち,臨床的なリカバリー,つまり寛解や社会復帰を意識した場合の薬物療法としては,アドヒアランスを良好に保ち,そのために飲み心地に気を配ることが重要となる。
他方,「希望を抱き,自分の能力を発揮して自ら選択ができる」というパーソナルリカバリーのためには,当事者が負担となる抑うつ症状を治療するとともに,薬物選択に際してshared decision making(SDM)の実施が望ましい。
リカバリーの両要素を意識して,陽性症状だけでなく抑うつにも注目し,アドヒアランスや飲み心地に配慮しつつ,目の前の当事者に選択肢を提示し,思案する時間を与えた上で議論するという双方向性の治療を実践していくことこそ,当事者があらゆるリカバリーを自覚することにつながるのではないかと考える。
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