手術
安全・簡易な2ポータル鏡視下手根管開放術
森谷 浩治
1
,
吉津 孝衛
1
,
牧 裕
1
,
坪川 直人
1
,
成澤 弘子
1
,
依田 拓也
1
1新潟手の外科研究所
キーワード:
Endoscopic carpal tunnel release
,
Twoportal method
,
Reverse Chowʼs technique
Keyword:
Endoscopic carpal tunnel release
,
Twoportal method
,
Reverse Chowʼs technique
pp.1421-1425
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000186
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筆者らは2 ポータル法による鏡視下手根管開放術(ECTR)を安全・簡易に行うため,小皮切の手根管開放術(OCTR)を応用したECTR の手術手技を考案した。本法は先に小皮切OCTR とほぼ同じ皮切で遠位ポータルを作製する。メッツェンバウム剪刀で正中神経と屈筋支帯間を十分剝がし,次に近位手首皮線上で長掌筋腱のすぐ尺側に近位ポータルを作製する。近位ポータルからカニューラを挿入し,屈筋支帯を末梢側から引き切り刀で切離する。ECTR の経験がなかった10 人の術者によって2013 年1 月からの18 カ月間に本法は特発性手根管症候群343例403手に施行された。OCTR への変更は17 手(4.2%),手術時間は平均13.6分,合併症は2 手(0.5%,いずれも小指浅指屈筋腱損傷)であった。本法は合併症がほとんどみられず,開始4 カ月後には学習曲線も平衡になるため,比較的安全かつ短期に習得可能な手術手技と考える。
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