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結合組織を構成する細胞外基質の代表には膠原線維と弾性線維があり,この2つは,体内に広く存在し,各種の細胞,組織,器官を支持,もしくはその構成要素となっている1)。遺伝性結合組織疾患とは,結合組織の生成や構造に関わる遺伝子の異常が原因で起こる一連の疾患をいい,骨・皮膚・血管壁の脆弱性に伴う特徴的な病態を呈する。大動脈解離や大動脈瘤破裂などは結合組織の脆弱性が原因で生じる致死的な心血管イベントの代表で,これらの疾患に罹患している患者の突然死の原因になりうるが,このような致死的なイベントが起こってはじめて罹患していることがわかる症例も散見される。
緊急性を要する遺伝性結合組織疾患の代表的なものとしてMarfan syndromeやvascular Ehlers-Danlos syndrome,Loeys-Dietz syndromeがある。これらの疾患は類似した臨床症状や画像所見を呈することがあるが,その一方でその疾患に特異的な症状や画像所見も認める。画像診断医の役割は,上記疾患の特徴的な画像所見について熟知し,臨床医にできるだけ早い時期からその存在を伝えることであり,それがその後の治療方針の決定に寄与し,ひいては患者の予後を改善させることにつながる。
本稿では,上記3疾患の臨床症状や画像所見などについて,当院で経験した症例に文献的考察を交えて概説する。
Heritable connective tissue disorders(HCD)encompass a diverse group of genetic diseases involving one element of connective tissue, such as collagen and elastin. These HCD is associated with sudden catastrophic events due to tissue fragility. Affected individuals have clinical symptoms related to abnormal connective tissue(joint laxity, skin elasticity, etc.), but such clinical signs may be missed until occurrence of catastrophes. To help radiologists to bring attention to this issue, we illustrate imaging findings in emergency of patients with HCD.
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