特集 泌尿器の画像診断と放射線治療
放射線治療
腎癌の放射線治療
辻 比呂志
1
,
粕谷 吾朗
1
,
牧島 弘和
1
1放射線医学総合研究所 重粒子線治療研究部
キーワード:
重粒子線治療
,
炭素イオン線治療
,
腎癌
Keyword:
重粒子線治療
,
炭素イオン線治療
,
腎癌
pp.1543-1548
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000169
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腎癌は,従来放射線抵抗性の代表的腫瘍とみなされ,原発巣の治療に放射線を用いることはまれであった。しかし,1 回線量を多くした寡分割照射法(hypofractionation)を用いることにより,高い効果が得られるとする報告もみられるようになり,転移巣に対する治療に加えて適応の拡大が図られている1)2)。転移巣に対する治療としては,腎癌からのオリゴ転移に対する治療として肺,リンパ節,副腎,肝,骨,対側腎などの病巣に対する治療が報告されている。主に強度変調照射法や定位放射線照射法を用いた短期小分割ないしは1回照射の治療が行われており,短期的には高い局所効果が報告されている3)。これらの経験が,1 回線量を高くした寡分割照射法を用いれば,抵抗性とされていた腎癌に対しても高い効果が得られることを示す証拠として,原発巣の治療へと適応拡大する根拠となっている。
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