特集 泌尿器の画像診断と放射線治療
画像診断 副腎
非機能性副腎疾患(非機能性腺腫,転移など)
熊谷 雄一
1
,
福倉 良彦
1
,
谷 淳至
1
,
吉浦 敬
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 放射線診断治療学分野
キーワード:
副腎腺腫
,
CT
,
chemical shift MRI
Keyword:
副腎腺腫
,
CT
,
chemical shift MRI
pp.1409-1417
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000154
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
副腎は,小さな臓器ではあるがホルモン産生を行う重要な内分泌臓器であり,また種々の腫瘍も生じうる。内分泌異常に起因する症状を有する患者に対して行われる副腎をターゲットとした画像検査には核医学検査が中心に行われている。しかしながら近年,超音波やCT,MRI,PET などの画像診断の発達・普及に伴い偶然発見される副腎腫瘤(偶発腫)の頻度が増加している。その頻度はCT において約5%1—2)であるが,剖検における発見率はその約4 倍にも及ぶ3)。したがって,今後,副腎偶発腫を画像的に診断する機会が必然的に増加すると考えられる。また,副腎は,肺癌・乳癌・腎癌・肝臓癌・悪性リンパ腫などの悪性腫瘍の転移が多くみられる臓器でもあり,副腎偶発腫の画像的特徴や診断手順を熟知することは非常に重要である。本稿では,偶発腫として発見されることの多い非機能性副腎腺腫と転移性腫瘍の鑑別および,その他の代表的な非機能性副腎疾患の画像所見について述べる(表1)。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.