手術症例報告
ICG蛍光造影を用いた血流評価により残胃温存した膵体部癌の1例─胃切除後膵癌に対するロボット支援尾側膵切除における有用性
齊藤 亮
1
,
雨宮 秀武
1
,
出雲 渉
1
,
中田 祐紀
1
,
川井田 博充
1
,
市川 大輔
1
1山梨大学医学部外科学講座第1教室
キーワード:
ロボット支援手術
,
尾側膵切除
,
残胃血流
Keyword:
ロボット支援手術
,
尾側膵切除
,
残胃血流
pp.1597-1601
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004638
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出血性胃十二指腸潰瘍に対する標準術式として,かつては幽門側胃切除が選択されることが多かった。また,近年の胃癌術後の予後延長の結果と膵癌罹患率の上昇があいまって,胃切除後膵癌を経験することが増えている。一方,幽門側胃切除後の残胃は主に脾動脈系の短胃動脈や後胃動脈により栄養されていることが多い。幽門側胃切除後の患者に対して,膵体尾部癌にする標準術式である脾動脈切離を伴う尾側膵切除を施行する場合,残胃血流がしばしば問題となる。われわれはロボット支援尾側膵切除の術中に,Fireflyシステム下にインドシアニングリーン(indocyanine green;ICG)蛍光造影を用いて残胃血流を評価し,可能であれば残胃を温存している。ここにその1例を提示する。

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