特集 食道胃接合部癌の治療戦略と手術アプローチ
Ⅱ.各論 1)食道胃接合部癌に対する経胸アプローチによるリンパ節郭清
野間 和広
1
,
田辺 俊介
1
,
藤原 俊義
1
1岡山大学消化器外科
キーワード:
食道胃接合部癌
,
胸腔鏡下食道切除
,
縦隔リンパ節郭清
Keyword:
食道胃接合部癌
,
胸腔鏡下食道切除
,
縦隔リンパ節郭清
pp.1391-1399
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004588
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わが国における食道癌根治手術は近年胸腔鏡手術やロボット支援手術を中心とした低侵襲化された内視鏡外科手術が主たる術式として普及してきている。かつての主たる術式であった右開胸手術と比べて,拡大視効果によるより微細解剖が認識でき,また,術者だけでなく助手とも共有できるようになり,手術手技の精度が向上し安全性が高くなってきている。また,近年,食道胃接合部癌が増加傾向にあり,手術対象となる症例も増加している。食道胃接合部癌は解剖学的な特徴からリンパ節転移の分布や郭清効果など,不明な点も多く,依然としてコンセンサスの得られた標準的な術式は確立されていない。しかし,ある程度の食道浸潤を伴った食道胃接合部癌については胸部食道癌と同様に縦隔リンパ節を伴う食道亜全摘を要する。また,比較的早期の食道胃接合部癌においても下部食道切除ならびに下縦隔リンパ節郭清を必要とする症例も存在する。

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