特集 食道胃接合部癌の治療戦略と手術アプローチ
Ⅰ.総論 6)切除不能進行再発食道胃接合部癌に対する薬物療法
佐藤 清哉
1
,
中山 厳馬
1
,
設楽 絋平
1
1国立がん研究センター東病院消化管内科
キーワード:
食道胃接合部癌
,
化学療法
,
バイオマーカー
Keyword:
食道胃接合部癌
,
化学療法
,
バイオマーカー
pp.1381-1390
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004587
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食道胃接合部癌は,食道胃接合部(esophagogastric junction;EGJ)を主座とする癌である。わが国ではEGJの上下2 cm以内をEGJ領域と定義する西分類が汎用されており,「胃癌取扱い規約」および「食道癌取扱い規約」においても西分類に基づいて腫瘍中心がEGJの上下2 cm以内にあるものを組織型に関わらず食道胃接合部癌と定義している1, 2)。腫瘍の解剖学的要素のみで定義されており,腹部食道の扁平上皮癌,バレット食道腺癌,噴門部直下の腺癌が含まれる。一方,欧米ではSiewert分類が広く用いられ,腫瘍中心がEGJの上下5 cm以内に存在する腺癌をTypeⅠ~Ⅲに分類し,そのなかでも食道側1 cmから胃側2 cmの間に存在するTypeⅡが狭義の食道胃接合部癌と定義されている。

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