特集 食道胃接合部癌の治療戦略と手術アプローチ
Ⅰ.総論 2)食道胃接合部癌のリンパ節転移分布と至適郭清範囲
藤原 大介
1
,
峯 真司
1
,
吉本 雄太郎
1
,
尾崎 麻子
1
,
橋口 忠典
1
,
橋本 貴史
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科
キーワード:
食道胃接合部癌
,
Siewert typeⅠ
,
Siewert typeⅡ
Keyword:
食道胃接合部癌
,
Siewert typeⅠ
,
Siewert typeⅡ
pp.1359-1366
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004583
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食道胃接合部癌はとくに腺癌において,近年,世界的な増加が傾向がみられ,わが国においても同様である。食道胃接合部は食道扁平上皮癌と同じように,縦隔側へと腹腔側へのリンパ流があり,実際に縦隔側へも腹腔側へもリンパ節転移をきたす。しかし,外科的切除の際のアプローチ,切除範囲やリンパ節郭清範囲は各々の施設,術者,患者要因によりさまざまであり,長らく一定の見解は得られていなかったが,2019年にKurokawaら1)による日本胃癌学会と日本食道学会が合同で行った国内前向き試験の結果により,至適リンパ節郭清のアルゴリズムが提唱された。現在では,多くの施設においてこのアルゴリズムを基に,手術法の選択やリンパ節郭清範囲が決定されていると思われる。

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