特集 転移性肝腫瘍に対する肝切除
Ⅱ.各論 5)神経内分泌腫瘍肝転移に対する肝切除
藤好 直
1
,
伊藤 心二
1
,
吉住 朋晴
1
1九州大学消化器・総合外科
キーワード:
神経内分泌腫瘍
,
肝転移
,
肝切除
Keyword:
神経内分泌腫瘍
,
肝転移
,
肝切除
pp.1065-1070
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004498
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神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasm;NEN)は,NET(neuroendocrine tumor)とNEC(neuroendocrine carcinoma)の総称であり,さまざまな臓器を原発とし,産生ホルモンによりさまざまな症状を起こし得る神経内分泌細胞を由来とする腫瘍である。また,NENは発生する臓器により分類が異なり,膵・消化管,肺の2つの分類がそれぞれ用いられている。NENの約70%は膵・消化管由来であり,25%は肺由来,5%はその他の臓器由来とされる1)。そのなかでも,特に膵・消化管のNENは初診時に転移性であることが多く,膵NENの4割は同時性転移を認め5年生存率は40%程度である。転移臓器は肝が最多で28~77%とされる。また,転移の有無は,腫瘍の悪性度分類の次に重要な予後因子となる2)。本稿では膵・消化管NENの肝転移に対する切除適応や成績を中心に解説する。

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