手術症例報告
右鎖骨下動脈起始異常を伴う食道胃接合部癌に対し,ロボット支援胸腔鏡下食道切除術を施行した1例
大林 未来
1
,
菊池 寛利
1
,
曽根田 亘
1
,
松本 知拓
1
,
平松 良浩
1
,
竹内 裕也
1
1浜松医科大学外科学第二講座
キーワード:
右鎖骨下動脈起始異常
,
非反回下喉頭神経
,
ロボット支援手術
Keyword:
右鎖骨下動脈起始異常
,
非反回下喉頭神経
,
ロボット支援手術
pp.1509-1514
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002936
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食道切除術は侵襲度が高い術式であり,縫合不全,肺炎,反回神経麻痺などの術後合併症の予防が重要である。また,大血管や気管膜様部,反回神経に加え,気管支動脈や胸管の損傷にも注意が必要であり,CT画像などを用いた術前シミュレーションによる詳細な解剖学的評価を行うことが望ましい1)。右鎖骨下動脈起始異常(aberrant right subclavian artery;ARSA)は,比較的まれな解剖学的変異の1つで,右反回神経の変異である非反回下喉頭神経(nonrecurrent inferior laryngeal nerve;NRILN)や胸管走行異常などを合併するとされる2,3)。今回,われわれはARSAを術前シミュレーションで同定し,ロボット支援下にて安全に食道切除術を施行し得た1例を経験したので報告する。
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